「パレットゾーン白金」は、2001年、明治学院大学白金キャンパスに新設された福利厚生施設です。学生のための生活と文化ゾーンとして、購買、ダイニングラウンジ、カフェ、アリーナ(体育施設)、スタジオ、和室、調理室等を備えており、多くの学生が集まる施設となっています。
また、災害時には帰宅困難者や滞留者等の受け入れ施設としても使用することが想定されています。
明治学院大学白金キャンパス
パレットゾーン白金
メインアリーナ
学校施設の耐震改修で、学生も災害時の帰宅困難者も守る
- 体育施設
- 教育施設
- #いのちを守る
- #一時避難場所
- #機能継続
- #特定天井の地震対策
- #防災拠点
多くの学生が利用する
生活と文化の空間
既存デザインを踏襲した
天井の耐震改修
地下3Fにあるメインアリーナは、文部科学省が発行した「学校施設における天井等落下対策の一層の推進(平成25年8月7日)」で対象とされた、高さ6mを超える天井、または、水平投影面積が200m²を超える天井に該当していたこと、そしてそんな中で「防災機能等強化緊急特別推進事業」の補助金募集があったことから、施設の安全性を向上させるために天井の耐震改修が実施されました。
天井の耐震改修にあたっては、事前に天井裏のキャットウォークから目視で現況確認が行われ、設備配管・配線やキャットウォークは既存を活かすことが決定されました。
この改修範囲から、床から全面足場が設けられ、施設の利用を停止しても影響が少ない大学の休暇期間に工事が行われています。
できるだけ新築時の建物設計者のデザインを踏襲したいとのご要望から、既存図面および現地調査の結果をもとに設計されました。
既存デザインも大梁と小梁によって40個程度の天井に細かく区切られ、さらに大梁と小梁が露出した特殊なデザインでした。
まず改修工事を行うにあたっては、既存配管をかわしながら吊材・ブレース材の配置調整をする必要があったため、既存配管位置の実測や既存スラブ内鉄筋を傷めないための鉄筋探査が行われました。
なお吊り元については、ブレースを設置する吊り元として、既存アンカーでは強度が満たなかったことから該当箇所にはあと施工アンカーが設けられました。
また天井端部も天井と躯体とのクリアランスを確保するため、既存では届かない箇所にあと施工アンカーが設置されました。
あと施工アンカーは、工事仕様に準じて品質確認のための引張試験が行われています。
告示771号対応耐震天井で
特定天井の地震対策
既存躯体への荷重を増やさないようにするために吊り天井が適していると判断され、告示771号対応耐震天井『新耐震Full Power天井(C40型)』が採用されました。
改修におけるポイントとして、既存配管・配線を活かすため、これらがブレースと重ならないようブレースの配置調整が設計段階のみならず現場段階においても入念に行われました。
なお大梁、小梁、壁際などには、特定天井の技術基準に定められた6cmのクリアランスが各所に設けられています。
導入に関する情報
- 建物構造
- 鉄骨造
- 工事時期
- 2020年〜2021年
- 導入した製品
- 新耐震Full Power天井
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