日本三景といわれる世界遺産・宮島へは、本島からフェリーで訪れることができます。
2020年2月29日に新たにオープンしたこの本島側のターミナルは、「おおらかな屋根で宮島の文化景観と“つながる”」「海辺の回廊軸、おおしゃもじ広場(緑地)と“つながる”」「透明で開かれた施設で人と人を“つなぐ”」などの“つながり”コンセプトに計画されました。
宮島への旅客ターミナル機能のほか、民間商業施設、観光案内所、特産品物販施設、イベントが行われる多目的スペースなどが大きな屋根の下に集まっており、観光客だけでなく地域住民からも愛着を持って利用されています。
また“みなと”を核としたまちづくりを促進するため、住民参加による地域振興の取組みが継続的に行われる施設「みなとオアシス」として国土交通省港湾局に登録され、災害時の支援の役割も担っています。
宮島口旅客ターミナル
年間約460万人が利用 天井の地震対策で安心・安全を実現
- 交通施設
- #いのちを守る
- #事業継続
- #機能継続
- #特定天井の地震対策
- #資産価値の維持・向上
未来の宮島をつくるために
掲げられたコンセプトは
宮島/宮島口/地域との
“つながり”
地域の文化を表現する
2枚の大屋根を持つ
開放的な半屋外空間と
仕上げに使われた木材
ターミナルは印象的な2枚の大屋根を持ち、小さなボリュームがばらばらと配置された新しい入れ子構造で、屋根の中央部分がトップライトになっており、開放感のある空間が広がります。
またターミナルがある廿日市市は「木のまち」として発展してきたことから、天井などに県産材の杉板が使用されています。
特に、天井高が高い半屋外空間の待合スペースは、利用者の一時的な滞在場所となることから、空間の安全性を担保するため、構造上十分な安全対策が必要だと考えられ、天井の地震対策が検討されました。
告示771号対応耐震天井で
特定天井の地震対策
2枚の大屋根は、緩やかな三次曲面を描き、加えて屋根を軽やかな印象とするため、軒先や棟周りの天井は断面的にR(アール)形状に設計され、屋根の見付が薄く絞られています。このx,y,zどの方向にも複雑な形状の天井を納めるため、端部のディテールに工夫が凝らされ、適切なクリアランスが確保されています。
特定天井に該当し、かつ構造体を天井裏に納め、かつできる限り天井裏スペースを縮めて軽やかに見える屋根(天井)にするために、告示771号対応耐震天井が採用されました。なかでも、天井に勾配があることから『新耐震Full Power天井』が選ばれ、仕上材に使われた杉板などの落下リスクの低減もポイントでした。
当社は、技術基準で示された方法をもとに実施した試験データや計算などの技術的な裏付けを提示させていただき、性能基準を満たす品質の確保に向けたサポートを行いました。
お客様VOICE
広島県
土木建築局営繕課
課長 川畠 満 様
意匠上天井高が高く設計されたことにより、構造上十分な安全対策が必要だったため、天井の地震対策を行うことにしました。
仕上材などの落下リスクを低減することが重要なポイントでした。
貴社におかれましては、今後、建築家が設計する建築物で、意匠性と安全性を確保しつつ、公共工事で容易に採用できる工法の選択肢が増えることを期待しております。
導入に関する情報
- 建物構造
- 鉄骨造
- 工事時期
- 2019年〜2020年
- 導入した製品
- 新耐震Full Power天井
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