米国の大手週刊誌「Newsweek」(国際版)および英国通信社The WorldfolioのWebサイトに社長インタビュー記事が掲載
代表取締役社長 桐井隆が英国通信社The Worldfolioよりインタビューを受け、記事(題名:Japanese construction materials to fuel Asia's construction boom)が米国の大手週刊誌「Newsweek」(国際版)およびThe Worldfolio社のWebサイトに掲載されましたのでお知らせいたします。
「Newsweek」は1933年に創刊され、世界の文化・政治・経済・社会情勢等、あらゆる分野の情報を鋭い視点と共に読者に提供する、全世界で400万部近い発行部数をもつ米国の大手週刊誌です。
今回、「Made by Japan—日本製が高品質とされる理由」をテーマに当社が取材対象となり、インタビュー記事が掲載されました。
- 日本のものづくり—特に防災分野での製造業の本質について
- 世界の建設市場の成長予測がある中でアジア太平洋圏におけるKIRIIの対応とは
- 今後の国際戦略や10年後の市場展望
などが掲載されています。
「100年の安心に、こたえる」をステートメントに、KIRIIは今後も、品質にこだわり安全性を追求し続け、快適で安心できる暮らし、街、社会づくりに貢献してまいります。
THE WORLDFOLIO Webサイト掲載ページ(英文)
https://www.theworldfolio.com/interviews/kirii-japans-leading/4739/
記事の日本語翻訳
KIRII:日本の高品質天井下地材メーカー
桐井 隆
株式会社桐井製作所 代表取締役社長
品質、信頼性、安全性を提供する桐井製作所は、日本を代表する天井下地材メーカーであり、国際事業の拡大のため、近隣のアジア太平洋市場に目を向けています。 社長の桐井隆氏に、同社の事業、経歴、国際戦略について話を伺いました。インタビューを進める中で、桐井製作所が生み出す全ての製品の基盤となっている日本人のものづくりの哲学についても述べてくださいました。
- Q. 日本のものづくり—特に防災分野での製造業の本質は何ですか?
- A. 私たちのものづくりの本質は、可能な限り最高の製品を提供するという情熱にあります。日本のメーカーは製品づくりに全力を尽くすのです。当社の専門知識は、製造プロセスの全ての過程で活かされ、最初から最後までの生産チェーンを網羅しています。日本人は生真面目で、最高の製品を追求し作ることを誇りに思っています。
どの製品でもある程度の誤差は許容されますが、日本のメーカーはこの誤差を減らすために、惜しみない企業努力をします。当社の事業分野では、品質は建築業者や建築士などの顧客によって定められます。高度な要求・要件があるため、実際は誤差を減らすことは難しいですが、彼らは完璧をさらに超えた仕上りを求めるのです。例えば、一見分からない僅かなズレであっても、もう一度最初から製品を作り直すよう頼んできます。 当社では、常に思いつく限りの最高の品質を提供する企業文化があります。高価格となることは避けられませんが、グローバリゼーションの進展により、私たちの業界は転換期を迎えていることを悟っています。 アジア市場では、見た目を重視し、性能よりも外観にこだわります。一方で日本では、使用される製品の機能と技術が優先されます。新しく建設された建物を見比べただけでは、日本とアジアの建設資材の違いに気付くことはできませんが、建設から5年後、その違いは顕著になります。日本の建設資材で建設された建物は5年を経過した外観になりますが、日本以外の素材で作られた建物は30年も経ったかのように古びたものになると言われています。少々誇張されていますが、長年保たれる日本製の品質の高さを示しているのです。 - Q. 貴社は香港と中国に工場をお持ちですね。 海外で生産する際、強みとしている高品質が保たれていることをどのように保証しているのでしょうか?
- A. 日本と海外で全く同じものを同じ品質で生産することは不可能です。各国に独自の特徴があり、人々は異なる文化で育ったからです。しかし、今では日本の品質に近いものを海外でも製造できるようになりました。
- Q. 専門家によると、世界の建設市場は2019年から2030年まで3.9%のCAGR(年平均成長率)、約3兆ドルの価値に達すると予想されています。アジア太平洋圏は、中国やインドなどが主な原動力となり、この成長の最前線に立つことが期待されています。この成長について、そして、この発展に貴社がどのように対応しているか教えてください。
- A. 日本は人口減少・少子高齢化が進展しており、当然ながら、これは建設業界にも影響を与えています。労働力の減少に対応するため、政府はより多くの移民を迎え入れる新しい政策を打ち出しました。長期的に見れば、日本の市場は再び良くなると考えています。同時に、当社の製品が役立つ新しい活用法を模索しています。
加えて、国際戦略を続け、香港からの輸出を増やすことも目指しています。国際事業を拡大する過程で、日本で販売するのと同じ製品を国際市場へ輸出することに問題があると気付き、アジア市場に合わせた製品の設計を開始し、現地の需要に応えることにしました。 当社が海外で販売するほとんどの製品は日本製ではなく、海外に合わせた他の生産プロセスで技術を磨きました。例えば日本では在来工法による天井や壁は大きな需要があります。しかしアジアで最も需要の高い製品は金属パネルなのです。さらなる拡大を目指すために、世界的なトレンドに適応し、新しいスキルを学び習得する必要がありました。 アジアの金属パネルの市場規模は日本の市場の100倍を超えるため、金属パネルで存在感を示せること、そして供給にギャップがあることも分析し気付きました。アジアのさまざまなメーカーは低価格で低品質の金属パネルを提供していましたが 、一方でヨーロッパのメーカーは、高品質のものを高価格で提供していたのです。その差を発見した後、良質で適正価格の金属パネルの製造を開始し、急速な成長に繋がりました。 - Q. 貴社は1964年に設立されました。56年の歴史を経て、あなたの会社のポイントとなるマイルストーンを教えてください。
- A. 当社は1964年に設立されたのですが、そのルーツは1938年に私の祖父が金型製造及び金属産業の会社を始めた頃にさかのぼります。彼が現在に続く株式会社桐井製作所を創設しました。
当時、日本の建物の内装は主に木材でつくられていました。第二次世界大戦後、日本は急速な経済成長を経て、様々な法令が整備されました。消防法が施行され、建物は木構造から鉄骨構造へシフトしました。これにより鋼製の建材の需要が急増したため、当社は建設業界向けの鋼製建材の生産を開始したのです。90年代に、私たちはこの部門における国内のリーダーになり、大規模な生産能力によって大きな収益を上げることができました。さらに、商社を介さずに製品を販売していた唯一の企業であったため、競争力のある価格を提供しながらお客様のことをよりよく知ることができたのです。 1995年の阪神淡路大震災の後、建物をより強固にするための新しい規制法が導入されたこともあり、業界に先駆けて天井の耐震化の研究開発に着手し、技術の裏付けを備える高品質な製品「KIRII耐震天井」を提供し始めました。 そして2011年、東日本大震災を経験した人々が天井の品質の重要性を認識し始めます。皮肉なめぐりあわせですが、この大惨事は当社の競争力のある製品を一般生活者に周知する機会となりました。再び法律が改正され、国は業界の標準として当社の技術を採用したのです。 - Q. 天井や壁など内装用鋼製下地材のマーケットリーダーである貴社の製品の概要、加えてR&Dが果たす役割をお聞かせください。
- A. 当社の専門は天井、壁、床の内装用鋼製下地材の製造です。創業以来、信頼できる高品質の製品の開発に注力してきました。また当社製品の一番の特徴は耐震性です。例として、建物内部、とりわけ天井耐震化の研究開発が挙げられます。当社は蓄積してきた技術や知見によって、平成25年国土交通省告示第771号の技術基準に沿った天井や試験データをいち早くお客様に提供することができました。特に地震が頻発する日本ですので、その市場ニーズに応えるために研究開発部門を設けています。当社の卓越した技術から生み出す製品によって、お客様が気づいていない市場も創出することができると信じています。
- Q. 今年の目標は何ですか?
- A. 今年、売上高は1,000億円に達し、利益率は5%増加すると見込んでいます。
- Q. 貴社の国際戦略はどのようなものでしょうか?
- A. メイドインチャイナ製品を他の東南アジア市場に輸出していきたいと考えています。既にインドネシア、シンガポール、タイに販売代理店があり、まもなくミャンマーとカンボジアでも販売を開始します。また香港オフィスに加えて、東南アジアに新しい拠点を開こうとしています。
- Q. さらに多くの国際的なパートナーを探していらっしゃるのでしょうか?
- A. 既に十分なネットワークがありますが、新しい協力の機会は常に受け入れたいと思っています。東南アジア諸国、特にカンボジアとミャンマーでの機会を探しています。
- Q. 桐井製作所の社長として、貴社のブランドがどのようなものだと知ってもらいたいですか?
- A. KIRIIといえば"安全を提供する品質と信頼性のブランド"として連想されるようにしたいですね。そしてさらに、私たちの知恵と技術を世界の市場に伝えられる存在になることを目指しています。
- Q. 10年後、何を達成したいですか?
- A. 先端技術を駆使した耐震天井によって、世界に安全を提供するグローバル企業になることです。 私たちの独自の専門知識でますます多くの人々、特に災害が起こりやすい地域に住む方々を守れることを心から願っています。
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