「耐震化率4ポイント増89%/2504棟に倒壊の恐れ/文科省公立小中校調査」が建設通信新聞に掲載されました
文部科学省は7日、公立学校施設の耐震改修状況調査結果をまとめた。福島県の一部を除く施設が対象で、小中学校の校舎や体育館など12万0460棟の耐震化率は、4月1日現在で前年度比4.1ポイント増の88.9%、耐震診断実施率は0.3ポイント増の99.3%だった。耐震化率100%を達成しているのは、全国1782自治体(学校組合を一部含む)のうち51.2%に当たる912自治体となった。一方で、30自治体はいまだ耐震化率50%未満で、378自治体に耐震第2次診断未実施の施設がある。
耐震性が不十分か耐震診断を実施していない公立小中学校施設は11.1%に当たる1万3412棟ある。このうちIS値(構造耐震指標)0・3未満で震度6強以上の地震で倒壊の恐れがある施設は、2504棟と推計されている。都道府県別の内訳は北海道が251棟で最も多く、大阪府の218棟、広島県の167棟、茨城県の152棟が続く。
都道府県別の小中学校耐震化率を見ると、全国平均を上回ったのは22都府県で、大規模地震が発生する恐れのある中部地方や宮城、東京、神奈川などで校舎などの耐震補強が進んでいる。耐震化率トップは静岡の99.2%。低いのは広島の68.6%、山口の74.8%などだった。
学校設置者である市区町村(学校組合含む)別の耐震化率全国ランキングを見ると、912自治体で100%達成している一方で、30自治体は50%未満にとどまっている。
都道府県別で50%未満の自治体が多いのは、北海道の2市9町、大阪の3市2町など。
小中学校以外の耐震化率は、特別支援学校が94.6%、高等学校が86.2%、幼稚園が79.4%となっている。今後耐震化が必要な建物は、高校で4142棟、幼稚園975棟、特支校311棟ある。耐震診断実施率は、特支校が99.3%、高校が98.3%、幼稚園は94.6%。
また、木造小中学校は全体の17.7%に当たる188棟が「耐震性なし」だった。
文科省は、15年度までに公立小中学校の耐震化を完了させる方針。13年度予算分まですべて執行された場合の耐震化率は約94%にアップする見込み。
このため耐震性がない建物は約7800棟となる。うちIS値0・3未満は約1400棟。今後は、0・3未満だけでなく0・3以上の約6400棟の耐震化を促進する。
(2013年8月8日 : 建設通信新聞)