「耐震点検実施83.2%/小中校非構造部材/吊り天井は6554棟」が建設通信新聞に掲載されました
文部科学省は、公立学校施設の非構造部材耐震点検と耐震対策の状況調査結果をまとめた。福島県の一部自治体を除く施設が対象で、天井材や照明器具、窓ガラス、外装材、内装材、設備機器、家具の7項目の点検実施率は、4月1日現在で小中学校が83.2%、高校が97.8%、特別支援学校が96.7%、幼稚園が75.4%だった。小中学校の非構造部材耐震対策実施済率は60.2%となった。
早急な対策が求められている屋内運動場・武道場・講堂・屋内プールで吊り天井がある小中学校施設は、全国で6554棟あることも分かった。
「多くの施設は、撤去を中心とした落下防止対策を今後実施することになる」(官房文教施設企画部)という。また、国土交通省が5日に公布した技術基準を踏まえ、再度の点検が必要になるとみられる。
小中学校以外の屋内運動場などで吊り天井がある施設は、高校が全施設の21.0%に当たる1913棟、特支校が同19.3%の223棟だった。
非構造部材の耐震点検と耐震対策の取り組み状況をまとめたのは、今回が3回目。点検と対策の対象は、「人に重大な被害を与える恐れがある個所」とし、前回の調査から、普段児童・生徒が立ち入らない資料庫や倉庫などと、屋内運動場などの吊り天井を除いた。このため、前回調査との単純比較はできない。小中学校の場合、前回の点検実施率は66%、対策実施率が32%だった。
小中学校は全国で3万0021校あり、点検済み校は2万4991校だった。対策実施済み校は、1万8063校で、対策未実施が1万1958校ある。
自治体ごとの点検・対策状況は、文科省によると「公立小中学校で耐震点検の実施率が100%だったのは、全体の76.1%に当たる1359自治体(学校組合を一部含む)。耐震対策実施率100%は945自治体で全体の52.9%あった」(官房文教施設企画部)という。小中学校以外の対策実施率は、高校が77.8%、特支校が78.9%、幼稚園が53.2%。
点検が完了していない自治体の理由を調べたところ、点検費用の確保が困難、職員の業務量的に困難などとしていた。対策未完了の理由には、構造体の耐震化を優先、ほかの整備と併せて実施予定、工事費用の確保が困難などを挙げている。
(2013年8月8日 : 建設通信新聞)