「天井を下から支える/コストと工期に優位性/清水建設ら」が建設通信新聞に掲載されました
天井を下から支える⁄コストと工期に優位性⁄清水建設ら
清水建設、内装工事などを手掛けるオクジュー(大阪市)と桐井製作所(東京都千代田区)の3社は、既存吊り天井向けの耐震改修工法「グリッドサポート」を開発した。天井を下から支えるという新発想で、天井の端部に構造部材を設置した上で2m四方のグリッド(格子)鋼材を居室側からビス留めする。さまざまな天井に対応でき、施設を使用しながらの施工も可能だ。天井を張り替える従来工法に比べてコストを2?4割削減、工期を2割程度短縮できる。清水建設は現在、複数の施設に提案を進めている。
グリッドサポートは地震時に天井の揺れを抑えると同時に、天井が外れても格子がネットのように支えて脱落を防ぐのが最大の特徴。清水建設技術研究所での振動実験では、2.2G(ジー)の地震力に耐えることを確認している。
実際の施工は、躯体や設備などの現地調査を経て行う。まず、天井の外周部を解体して構造部材を新たに設置し、その後、居室側から4cm角のグリッド鋼材をビス留めし、構造部材と緊結する。
グリッド鋼材の重さは1?当たり3キロで、吊り天井の7分の1程度と軽いため施工性は高い。また、幅広い材料の天井に適用でき、天井懐や下地材を選ばない高い汎用性を持つ。大面積の天井であっても、12m程度のスパンで構造部材を設置していけば対応可能だ。
グリッド鋼材の配置間隔やサイズは、部屋の形状や照明・空調設備の配置状況に応じて柔軟に調整できる。施工した鋼材は天井と同色に塗装するが、ニーズに応じて化粧カバーなども用意している。
同工法は、天井を張り替える従来工法に比べ、2〜4割の材工コストを削減し、2割程度の工期短縮につながる。加えて、施設を使いながらの施工が可能なため、工場などでは生産ラインへの影響を最小限に抑えることができる。このため、「既に多くの引き合いが寄せられている」(清水建設)という。現在、全国的に提案を進めている段階で、早ければ春にも初適用物件が出てくる見通しだ。
(2013年1月24日 : 建設通信新聞)