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「学校天井落下防止対策で骨子案/構造体との一体点検を/文科省有識者会議」が建設通信新聞に掲載されました
学校天井落下防止対策で骨子案⁄構造体との一体点検を⁄文科省有識者会議
文部科学省の有識者会議は6日、すべての学校の屋内運動場の天井などを総点検し、施設の危険度や対策実施の優先度を判断して、天井材の撤去や軽量化、周囲の壁と天井のクリアランス確保といった落下防止対策の実施を柱とした緊急提言の骨子案をまとめた。また、抜本的対応も含めた対策を推し進めるためには、天井など非構造部材と構造体の一体的な点検と対策が必要との考えも打ち出した。
骨子案によると、学校施設の性能を適切に確保するため、構造体と非構造部材の一体的な検討を実施して対策を講じることを基本とするものの、現段階では、既存施設の天井材や照明器具など非構造部材落下防止対策を中心に提言をまとめた。
屋内運動場の天井など落下防止対策は、緊急性が高く優先的に実施することを対策推進の基本にした。その上で、点検は自治体が実施し、技術職員がいない場合は専門家に依頼して行うとした。点検と対策は安全面に加え、室内環境などの条件も考慮して総合的に検討する。具体的な落下防止対策としては、▽天井材の撤去▽軽い素材による天井材に改修▽周囲の壁と天井のクリアランス確保、振止め、ハンガー・クリップの固定などの耐震対策実施▽ワイヤーロープや落下防止ネットなど天井が脱落しても人的被害を防ぐ対策ーーを示した。
会議では、全国83市町の小中学校688施設の屋内運動場などの天井の実態調査結果速報も提示。対策として壁と天井のクリアランスを確保している施設が1割強にとどまることなどが分かった。
有識者会議は8月下旬に落下防止対策の緊急提言を中間報告としてまとめる。
(2012年7月9日 建設通信新聞