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「JSCA提言/非構造部材への関与明示/震災踏まえ配慮項目」が建設通信新聞に掲載されました
JSCA提言 非構造部材への関与明示 震災踏まえ配慮項目
日本建築構造技術者協会(JSCA、金箱温春会長)は、東日本大震災の揺れによる建物被害を中心に分析し、構造設計者が今後の設計活動に生かせる対策を提言「東日本大震災からの教訓」としてまとめた。構造設計者だけでなく、意匠・設備設計者、施工者、社会に向けた提案も含まれている。非構造部材については、設計や施工の際に構造設計者がどのようにかかわるべきかまで踏み込んで提言した。
同協会は、2011年7月にアクションプランをまとめ、震災被害後の活動にかかわる計画を公表した。ことし3月には意見交換会で提言の中間報告を発表している。今回の最終提言は、構造部材、非構造部材の両分類で、設計時に配慮すべき点をまとめた。
構造部材の提言は、建物各部の変形を意識した設計や振動の増幅の考慮、構造ディテールの配慮、クライアントに対する構造性能の理解促進などを挙げ、考え方や注意点を盛り込んだ。
非構造部材については、直接主要構造体に取り付けられないPC版やALC版など非構造部材の支持部材、大規模天井の支持部材、特殊な外装を構造設計者が設計すべきものとして挙げた。このほか、意匠・設備設計者、施工者に助言すべき項目も明示した。
意匠設計者に対しては、必要な耐震制度を確保するための仕様を設計図書に明記すべきと提言した。施工者には現場における確認体制の再構築が必要性とした。
22日に開いた総会で、金箱会長は、提言について「構造のディテールまで含めて配慮すべき項目をまとめたものになるが、特に非構造部材については、構造設計者だけでなく他の設計者、施工者との連携が必要となる」と強調した。
(2012年6月25日 建設通信新聞)