メディア掲載
「JSCA/震災被害踏まえた構造設計へ提言」が建通新聞に掲載されました
JSCA 震災被害踏まえた構造設計へ提言
日本建築構造技術者協会(JSCA、金箱温春会長)は、東日本大震災の被害を踏まえた建築構造設計の在り方についての提言をおおむねまとめた。震災の被害状況と、被害を踏まえた建築構造設計者が配慮すべき事項を主体構造体と非構造体に分けて示している。特に非構造体については、設計や施工に対する構造設計者の関わりが不明確な現状を踏まえ、構造設計者の関与の在り方まで踏み込んでいる。JSCA技術委員会が22日に開いた意見交換会で公表した。ここでの意見を踏まえて修正を加え、5月に最終報告としてまとめる。
主体構造の提言は、JSCAの技術委員会・幹事会が検討。非構造体の提言は、技術委員会に設置した「2次部材・仕上材の耐震安全性検討WG(ワーキンググループ)」で検討している。
主体構造では、△鉄筋コンクリート造△鉄骨造△免震・制震構造△木造△基礎ーに分けて提言。例えば、鉄筋コンクリート造では、雑壁に構造スリットを配置したり、乾式壁に変更して変形に追従できるようにする工夫を提示。また、軸力の大きな柱に溶接閉鎖型せん断補強筋を採用することなどを盛り込んでいる。
非構造体は、△天井△外装材△内装材△エキスパンションジョイント△階段・エスカレーター△設備機器ーなどについて提言。このうち天井では、今回の震災で大空間の天井が崩落する被害が多数あったことを踏まえ、建築・構造・設備が一体となった設計体制の確立が必要だと指摘。また、天井の設計用地震力が法的に明確に設定されていないことを構造設計者が発注者に説明した上で、地震力を設定すべきとしている。
(2012年3月26日:建通新聞)