「学校施設/非構造部材の耐震強化/文科省/補強工事事例集を策定」が建設通信新聞に掲載されました
学校施設非構造部材の耐震強化
文科省 補強工事事例集を策定
文部科学省は、学校施設の天井材や照明器具など非構造部材の耐震対策を強化する。自治体など学校施設設置者や設計者の参考となるよう非構造部材の補強工事事例集を策定。9種類の非構造部材を対象に39の事例ごとの対策概要、内訳も含む概算の工事費と工期を示した。また、2012年度に防災機能強化事業の交付金制度を創設、交付金の使い勝手を向上し、一層の耐震化を推し進める。
『学校施設の非構造部材の耐震対策事例集』は23日に策定。同日付で都道府県に策定したことを通知し、管内自治体などへの周知を要請した。事例集は近く配布する。
事例集は、△天井△照明器具△外壁・外装材△窓・ガラス△内壁・内装材△設備機器△テレビ△収納棚△ピアノーの9種類を紹介。主な耐震対策項目や対策実施の背景、対策概要などを図面や写真を交えて示した。文科省は非構造部材の点検を中心としたガイドブックを10年3月に策定済み。補強工事の手引きとなる事例集の策定は、今回が初めてとなる。
また、防災機能強化事業交付金制度は、既存の大規模改造交付金の安全管理メニューと屋外防災施設交付金制度を統合して創設。調査・設計・工事の交付金算定対象範囲を現在の1校当たり1000万円以上から400万円以上に引き下げる。また、施設の新増築に合わせて設置する場合に限り補助を認めていた自家発電設備は、同設備単独での設置でも補助対象とする。算定対象の上限額原則2億円や補助率3分の1は現行と同じ。12年度予算案に計上した学校施設環境改善交付金698億9200万円の内数を、防災機能強化事業予算に充てる。
東日本大震災での学校施設は、構造体の損傷が軽微な場合でも、非構造部材の落下や損傷などの被害が発生。被害を受けた学校数は天井材が1636校、照明器具が410校、外壁・外装材が968校におよんだ。文科省は、事例集とガイドブックをあわせて自治体に活用してもらい、非構造部材耐震化の取り組み強化につなげる考えだ。
(2012年3月27日 建設通信新聞)