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「意匠設計者、施工者に助言/構造設計者/非構造部材の耐震策/JSCA」が建設通信新聞に掲載されました
意匠設計者、施工者に助言
構造設計者 非構造部材の耐震策 JSCA
日本建築構造技術者協会(JSCA、金箱温春会長)は、非構造部材への構造設計者のかかわり方を明らかにした。天井や仕上材などの非構造部材は、だれが責任を持って耐震設計をしているのかが不明確だったが、構造技術者として力学的挙動や変形性状を把握し、意匠設計者や施工者に取り付け方法まで含めて適切にアドバイスする役割を提言している。また、非構造部材は施工段階での設計変更が多いことを踏まえ、現場での確認体制の確立が必要とした。
これまで、構造設計者は特殊なケースを除いて非構造部材に関与する機会が少なかった。JSCAは、東日本大震災で天井の落下など非構造部材の被害が多発したことを踏まえ、7月に策定したアクションプランに対策を盛り込み、ワーキンググループ(常木康弘主査)で検討してきた。
今回まとめた提言では、構造設計者が非構造部材の詳細を理解し、意匠設計者と意思疎通を図りながら設計方法に適切なアドバイスをする必要があるとした。また、ALC(軽量気泡コンクリート)やPCa(プレキャストコンクリート)などのパネル仕上材は、構造設計者が支持部材への荷重を適切に評価し設計する必要性を指摘した。
構造設計者の役割のほか、適切な施工に向けたルールづくりや、既存建物で人命にかかわる部位の早急な補強、地震を経験した建物での保有耐震性能の確認、大変形に対して追従可能な仕上材のディテールの開発など非構造部材の耐震・安全確保策を提言した。金箱会長は「幅広い取り組みであるため、JSCAだけでは対応できない」と、他団体との連携の必要性を強調した。
(2012年3月23日 建設通信新聞)