「耐震天井工法を提供」が鉄鋼新聞に掲載されました
建築用鋼製下地材の最大手メーカー桐井製作所(本社・東京都千代田区、社長桐井隆氏)はこのほど兵庫県三木市の兵庫耐震工学センター内の構造物の実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)で行われた耐震実験に耐震天井工法を提供した。同社が積極的に取り組んでいる耐震研究が認められたもので高い耐震性能を発揮している。
今回採用されたのは耐震で重要なブレース(斜め補強材)AS 25、RPクリップ、RPカバー、ブレース下部取付金物「ブレース金具RP」(特許申請中)などを理論的に組み合わせたKIRII耐震天井工法。
同社では05年8月16日に発生した宮城県沖地震によるプールの天井崩落事故を契機に耐震対策チームを発足させるなど耐震対策に力を入れている。100体以上の静的破壊試験を繰り返して非構造部材(鋼製下地材)の耐震性能を理論的に検証した学術論文やホームページ上のデータなどEーディフェンス側が高く評価したことが実験協力要請の契機となった。
独立行政法人防災科学技術研究所が兵庫県と共同で行った実験は先月29日、30日の2日にわたって行われ、南海地震及び兵庫南部地震を想定。地震動を高層建物に与えた場合に生じる高層階の床応答加速度、床応答速度及び建物内最大変形を再現している。30日の実験では現在マンション向けなどに急速に普及しているSQ工法(角スタッド天井)とKIRII耐震天井の比較実験も行われた。詳細な実験結果は出ていないが、実験関係者は「耐震天井に関して目立ったダメージはなく高い性能が確認された」と話している。
実験には一般公募の見学者が2日で1200人以上訪れ、耐震への関心の高さをうかがわせた。30日の実験には桐井社長も東京から駆けつけ、実験の推移を見守った。
(4月5日 鉄鋼新聞)