KIRII耐震対策とは ?
KIRII耐震天井
天井は建築基準法施行令第39条で「地震その他の震動及び衝撃によって脱落しないようにしなければならない」とされています。設計者はこれに基づいた天井設計が必要です。
KIRII耐震天井は、もっとも一般的な「耐震天井」に加え、特定天井に対応する「告示771号対応耐震天井」、支持構造部に固定する「準構造耐震天井」をラインアップし、意図する天井設計にお応えします。
ラインアップ
耐震天井
自社基準試験により強度を確認した、ベーシックな耐震天井です。
[1]クリップなどのパーツの補強
[2]ブレース(筋交い)の設置
[3]クリアランス(隙間)の設置
3つのポイントをクリアする工法で、新設のほか、既存吊り天井の改修対応工法もラインアップしています。
以下の3つのポイント全て行うことが重要です。
POINT 1
クリップなど
パーツを補強する。
部材そのものを
強化する
POINT 2
ブレース(筋交い)
を取り付ける。
筋交いにより
天井の揺れを防ぐ
POINT 3
クリアランス
(隙間)を設ける。
隙間を設けて
壁との衝突を防ぐ
告示771号対応耐震天井
特定天井に対応可能な、告示771号で定められた試験を実施した耐震天井です。特定天井の設計に活用いただけるよう、試験データを公開しています。
準構造耐震天井
吊りボルトを使わず、支持構造部と一体化した天井を構成できる耐震天井です。
いずれも日本耐震天井施工協同組合(JACCA)の推奨部材であり、ホール等複雑形状天井を改修対応できる部材もラインアップしています。
耐震天井の
性能検証と評価
実証試験と評価で、安心をかたちに。
耐震天井は、天井の耐震性を試験で検証・評価することで、安心をかたちにしています。
地震時に必要な性能は、「個々の部品についての試験」から「組み上げた天井についての試験」まで幅広く実施することで検証・評価することができます。
これからも、実証試験によって地震時に天井に必要な性能、そして安心を追及していきます。
試験1 パーツ試験
- 目的
- ・使用する部材単体の構造耐力上の品質に係る剛性
および強度確認 - ・接合部の強度確認
- ・使用する部材単体の構造耐力上の品質に係る剛性
- 内容
- 試験体は、部材を構成して接合部を再現し、引張方向、圧縮方向、水平方向など必要方向に加力します。
試験2 静的ユニット試験
- 目的
- ・天井全体の許容耐力および剛性を評価
- 内容
- 実際の構造方法の通りに天井を組み、天井面を水平方
向(X・Y)に加力します。
評価
「パーツ試験」および「静的ユニット試験」で確認した各所の剛性、強度から性能評価し、天井構造としての許容耐力を設定します。
在来天井
試験条件
- 1) 試験体 2700mm×2100mm
- 2) 天井ふところ 1000mm
- 3) 野縁方向への加力
- 4) ブレース材をV字配置
性能評価値および許容耐力から、計算書を作成しています。
現場によって使用する部材、取付けピッチ、仕上材重量などによって斜め部材(ブレース)の必要数量や天井変位量を算定します。
※詳細はお問い合わせください。
システム天井
試験条件
- 1) 試験体 3400mm×2400mm
- 2) 天井ふところ 1200mm
- 3) メイン直行
- 4) ブレース材をV字配置
天井の耐震化は、ブレースの設置だけでなく、接合金具(クリップ、ハンガー)の総合的な補強が必要です。
試験(その他):動的振動台試験
実物大の天井を組み、地震の揺れを再現して天井面全体を振動させ、天井面および接合部の様子を確認します。
「パーツ試験」「静的ユニット試験」での剛性や許容耐力の評価とは異なり、組み上げた天井の振動に対する状態を確認します。
※再現する振動に対する状態確認であり、耐震性の性能評価をするパーツ試験や静的ユニット試験とは趣旨が異なります。
天井脱落対策に関する
よくある質問
地震で天井が落ちたので、吊りボルトを短くして復旧したが
問題ないか?
吊りボルトの長さが10cm程度でも落下した事例があります。ふところの長さに関わらず落下対策は必要です。
地震で天井が落ちたので、ブレースを追加して復旧したが
問題ないか?
ブレースを追加した部分に力が集中するので、周辺の部材の補強も必要です。
各部材を強化・補強するだけではだめか?
それだけでは不十分です。例えば、クリップをビス止めしたり、補強するだけでは天井が揺れ動くことは防げません。
中小規模空間(500㎡未満)では落下対策の必要はないか?
狭い空間でも天井材が落下した事例は多くあります。広さに関わらず落下対策は必要です。
軽い素材(例:膜天井)を採用すればよいのでは?
軽いので耐震対策が容易で、膜が落ちても怪我しない、というメリットがあります。但し、コスト高になる、断熱性に劣るためエネルギー効率が悪い、吸音・遮音性に劣るため空間性能が悪い、下地材落下の危険性は残る、というデメリットがあります。
「天井無し」にすればよいのでは?
コストが掛からない、落下の可能性もない、というメリットはあります。
但し、意匠性に劣る(配線・配管などが剥き出しになる)、断熱性に劣るためエネルギー効率が悪い、吸音・遮音性に劣るため空間性能が悪い、というデメリットがあります
建築確認や点検では天井材の落下防止対策はチェックしない
のか?
国交省の技術的助言(国住指第1427号)では、設計図書や写真などによるチェックを求めています。
落下対策は設計者や施工者の問題で、施主や発注者などには
関係ないのか?
定期報告制度で調査・報告の義務を負っているのは建物の所有者・管理者・占有者です。